『猫と雨と助教授』
やっぱり『ペルシャ猫の謎』の最終編『猫と雨と助教授と』を紹介しておかなくては。
この物語はページ数にして僅か6ページ。
短編中の短編小説です。
火村助教授が下宿している家主の婆ちゃんこと篠宮時枝さん。
大学の助教授をしている火村はここで下宿しているらしい。
婆ちゃんから、取材旅行中の有栖川アリスに電話がかかってきます。
電話口から聞こえてくる猫の声。
「『にぎやかですね』『へえ、ほんまにやかましいことで』と言う婆ちゃんの目は糸のようになっているのだろう。」(p.299)
確か婆ちゃんの家には「瓜太郎」と「小次郎」の2匹の猫がいるはず。
もう一匹、新顔が仲間に入ったのか?
聞けば、火村助教授が雨の日に拾ってきたとのこと。
婆ちゃんも火村助教授も無類の猫好きらしい。
火村が拾ってきた子猫が元気いっぱい跳びまわっているらしい。
この子猫の名前は「桃」。名前を付けたのは婆ちゃん。
なぜ「桃」なのか?
「桃」を拾った雨の日のこと、どうやら有栖川も思い当たることがあるらしい。
婆ちゃん、火村助教授、そして有栖川の猫への愛を感じてしまいました。