ブランケット・キャットとは?
ブランケット・キャットとは、基本的に2泊3日で貸し出される猫のこと。
なぜ、2泊3日なのか?
「三日過ぎると情が移ります。猫の方は逆に、もうここに帰れないんじゃないかと思って不安になる。それはお互いブランケット・キャットにとって不幸なことと思うんですよ。」(p.9)という店長のことば。
あくまでレンタル、レンタル料と預かり金を合わせるとそれなりの額になる。
この本はそんなレンタル猫、ブランケット・キャットを借りた人や家族の物語が7話。
1話 花粉症のブランケット・キャット
2話 助手席に座るブランケット・キャット
3話 尻尾のないブランケット・キャット
4話 身代わりのブランケット・キャット
5話 嫌われ者のブランケット・キャット
6話 旅に出たブランケット・キャット
7話 我が家の夢のブランケット・キャット
それぞれに事情をかかえる家族や人々。
そんな家族や人々に借りられる猫。
猫の名前は、借主が決めるとのこと、さて、それぞれにどんな名前が付けたのか?
付けられた名前にもそれぞれの思いが・・・。
重松 清の本は、以前、朝日新聞にも連載されていた「ひこばえ」をはじめ、「とんび」等、何冊か読んだことがあります。
本に登場する家族や人々がそれぞれに事情を抱え、崩れそうになっていく。
しかし、最後には絆のようなもので結ばれていく。
その生き方に自分自身の生き重ねていく、というのが、私の勝手な印象です。
「ブランケット・キャッツ」でも同じような感想を持ちました。
7話それぞれに「ブランケット・キャッツ」が話の真ん中に、そして、片隅に登場し、家族や人と人をしっかりと支えているように感じました。
第6話の「旅に出たブランケット・キャット」だけが、レンタル猫を6年間続けている「ダビー」という名の猫が主人公で、猫目線で書かれています。