今回、猫が登場するのは表紙だけ!
「ねむりねこ」は伊集院静の随筆集のタイトルである。
「ねむりねこ、とは妙なタイトルに思われるかもしれないが、表紙の猫の絵についたタイトルをそのまま使うことにした」(p.291)
「ここ数年、不安になったり、悩んだりすると、私は守一の作品を眺める。ゆっくり見ていると、なにをそんなに小事に気を病む、生きている、それで充分、あと何がいるというのだ、と画家の声が聞こえる気がする」(p.291)
その画家が熊谷守一。
この本で初めて知った画家である。
「ねむりねこ」の中には、犬は登場しても猫は登場しない。
熊谷守一の猫の絵も表紙だけで、どこにも載せられていない。
伊集院静がタイトルに使い、猫の絵を載せた思いを感じたくなった。
早速、「熊谷守一」で検索すると
「波乱万丈の画家人生70年を追う『熊谷守一生きるよろこび』展」
猫だけじゃない、波乱万丈の画家人生70年を追う「熊谷守一 生きるよろこび」展
竹橋の東京国立近代美術館で開催中の『没後40周年 熊谷守一 生きるよろこび』は、合計200点を超える作品と共に、画業を振り返る大型回顧展。研究熱心で、様々な工夫をし制作していた守一の作品を読み解く、今展の魅力をお伝えします。
を見つけ、熊谷守一の世界にふれることができた。
そして、伊集院静が「ねむりねこ」を通して伝えたかったメッセージは「生きるということ」なのかなと感じた。