猫が登場すると言えば、やっぱりまず猫の視点で書かれた「吾輩は猫である」。
夏目漱石の最初の作品です。
ある家にもぐりこんだ猫、「この宿無しの小猫がいくら出しても出しても御台所へ上がってきて困ります。」と下女の訴えに、「そんなら内へおいてやれ」の主人の一言でこの家に住むようになった猫。
さどかし優しいご主人と思いきや最初は全く相手をしてくれない主人。
名前すら付けてくれません。
そのため、猫は「吾輩」のまま。
吾輩以外に登場する猫は、二弦琴のお師匠さんにかわいがられている美貌家の「三毛子」、
三毛子だけが吾輩を先生と呼んでいる。
そして、車屋の威勢のいい「黒」。
この三匹の関係性は・・・。
他に、中学校教師苦沙弥とその家族、多士済々な登場人物。
その人間関係が「吾輩」の目で書かれていておもしろい。
そもそも、この人間関係がこの小説のテーマ。
最後に吾輩がビールを飲むくだり・・・。
夏目漱石を実感できる一冊だ!