通勤の電車の中で本を読むことはずっと前から習慣になっている。
文庫本が中心で、「猫が登場する本」の紹介も電車の中で読んだ本だ。
携帯で電子版の本を読むようになったのはいつからだろう?
今の携帯の前に変えた携帯から読み始めたと思う。
かれこれ50冊ほど読んでいる。
「kindle」を利用している。
携帯で読むのは、主に大阪環状線の6区間だけ!
僅か15分余りでも、続ければ案外読めるものだと驚いている。
ジャンルは小説、漫画からハウツー本等、様々だ。
「kindle」の無料本を検索して読んでいる。
電子版を買う時はAmazonプライムに入っているので、Amazonウェブサイトから購入して
「kindle」で読むが、その手続きの仕方が未だによく分かやずうまくいかないことが多い。うまく買えた時にはほっとする。
そんな中で、最近見つけたのが、森沢明夫「大事なことほど小声でささやく」である。
「大事なことほど小声でささやく」という題名に引き付けられた。
この本は、5人の登場人物で構成されている。
第一章 本田宗一の追伸
第二章 井上美鈴の解放
第三章 四海良一の蜻蛉
第四章 末次庄三郎の謝罪
第五章 権田鉄雄の阿吽
それぞれの章に出てくる人物は、主人公の権田鉄雄が経営する「スナックひばり」の常連客。
「スナックひばり」のバーテンダーがカオリ。
カオリ以外の登場人物はスポーツクラブに通っている。
スポーツクラブの名が「SAB(サブ)」と言い「スポーツ・アンド・ビューティー」(p.21)
の略である。
権田はみんなから「ゴンママ」と言われている。
「身長二メートルは優にある、プロレスラー張り」(p.22)の男。マッチョである!
第五章では権田の話が出て、この物語を閉めている。
第一章の権田が本田に語る場面がある。
「言葉ってのはね。大事なことほど小声でささやくものなの。その方が相手の心にしっかり届くんだから」(p.33)
この題名の意味らしい!
どの章にも権田が登場人物と絡み、ささやくような声で言葉を吐く。
その言葉の深さと重みに思わず納得し勇気づけられる。
さて、猫はどこに登場しているのか?
猫の名前はチロ。黒猫である。
「夜の路地で見るチロの漆黒の毛並みはミンクのような美しさで街のネオンと街灯の光を受けてつやつやと光っている」(p.65)
チロは「スナックひばり」の番猫。
番猫と言っても権田やカオリから食べ物をもらっている野良猫!
そのチロが最後の章「権田鉄雄の阿吽」で多く登場してくる。
チロと権田、そしてカオリの関係性が見えてくる。
もう一度と言わず、繰り返し読みたい1冊に出会った感を強く持った。