猫が登場する本を探している時に「猫を拾いに」を見つけた
著者は川上弘美さん
「川上さんが猫好きだ」ということは知っていた
「猫を拾いに」という題名から、猫が主人公の物語かな、と思い手に取った
目次を見ると、21の短編の題名が載っていた。
その中の10番目に「猫を拾いに」(pp.124-136)があった
いつもは最初の短編から読んでいくが、今回はまず「猫を拾いに」から読むことにした。
<猫を拾いに>
この物語は高齢化社会の話!
登場人物は主人公と福本さん、福本さんのいとこの福本さん
福本さんのいとこは、福本さんによく似ているから福本ダッシュと主人公はこっそり呼んでいる
主人公が住む街のスーパーやまもとは、「朝の六時から夕方六時まで開いている小さなスーパーだ」(p.125)
このへんの人たちは、早寝早起きなので、夕方六時を過ぎると、誰も買い物に来ない(中略)反対に、開店の朝六時には、待ちかねて店頭でうろうろしている人が三人は」いるという」(p.125)
このあたりの平均年齢が高い理由は親子三代の医者の腕がいいかららしい
「樹医院は、院長が百十歳、二代目の息子が八十五歳、孫の三代目が女医でちょうどこの前の土曜日に五十歳になったばかりだ」(p.127)
樹医院では誰かが誕生日を迎えると花火大会をする
今日はその花火大会の日だ
樹医院の土地は壮大で、明治神宮につぐ東京のパワースポットになっているらしい!
もう一つ、町の特徴は町民のだれかが誕生日を迎えると贈り物をするという習わしがある。
その贈り物の品は使いまわしで贈り物として使われる。
「樹医院の三代目には、古い銀のスプーンを贈った。町長には、折り紙セット。やまもとには、すずりだった。どれも使いまわされたプレゼントだ」(p.133)
ちょうどこの日はダッシュの誕生日でもあった
ダッシュへのプレゼントは、使いまわされたものではなく唯一無二なプレゼント
それを探しに樹医院の森に入る主人公。
そこで見つけたのは生まれて間もない猫だった
主人公はその仔猫にリボンの首輪をつけてダッシュにプレゼントする
自分も欲しくなった主人公が、再び猫を拾いに森に入る
この場面が「猫の拾いに」の題名になっているのだ!?
本の題名が「猫を拾いに」なので、他にも猫が登場するのか話があるのかと思い、残りの20編を読んでみたが、他に猫が登場する話はなかった
唯一、「猫」という文字が登場したのが、17番目の物語「金色の道」
冒頭に「あたたかくて、静かで、色をよく知っている人で、猫を上手に寄せる人」(p.221)
と出ていた
何回も読み直したが、他に猫が登場する物語はなかった
この本の解説を壇蜜さんが書いている
この解説を呼んでも猫に関する文章はない
なぜ、本の題名が「猫を拾いに」なのか?
わからないままこの記事を書いている!